外国人を装って好意を抱かせ、現金をだまし取る、いわゆる“国際ロマンス詐欺”で振り込まれた金をマネーロンダリング(=資金洗浄)したとして、ベトナム人の男が逮捕されました。
警察によりますと、逮捕されたベトナム国籍のグエン・ゴック・ティン容疑者は、今年7月、国際ロマンス詐欺グループがだました男性に、グエン容疑者が管理する他人名義の口座に100万円を振り込ませ、暗号資産に換金した疑いが持たれています。
グエン容疑者は新型コロナウイルスの影響で仕事を失い、生活費を稼ぐためマネーロンダリングを始めたということですが、「犯罪収益とは知らなかった」と容疑を一部否認しているということです。
警察は、同様の被害者が40人ほどいて、被害総額はおよそ4000万円にのぼるとみて調べています。
”ポスト投函型”詐欺で中国籍の男ら逮捕
東大阪市に住む高齢女性からキャッシュカードなどをだまし取ったとして、中国籍の24歳の男が逮捕されました。
自宅の郵便受けにカードを入れておくよう指示して、だまし取る新たな手口を使っていて、警察は注意を呼びかけています。
10日、詐欺の疑いで逮捕されたのは、住居不定・無職のズイ・シィエイ容疑者(24)です。
ズイ容疑者は10月13日、金融機関の職員を名乗る男らと共謀し、東大阪市の80代女性に、キャッシュカードを交換する必要があるといううそを信じ込ませ、キャッシュカード2枚や通帳などをだまし取った疑いがもたれています。
警察は、ズイ容疑者の認否を明らかにしていません。
大阪府警によりますと、ズイ容疑者らの手口は「ポスト投函型」と呼ばれるもので、大阪府内で9月以降、18件起きています。
金融機関の職員を名乗る男が高齢者の自宅に電話をかけ「あなたのキャッシュカードが犯罪に使われているので、交換する必要がある」「職員が受け取りに行くので、封筒にカードと通帳を入れて、自宅の郵便受けに挟んでおいて下さい」などとうそをいい、だまし取るといった手口です。
府警は「ポスト投函型」詐欺で、ズイ容疑者を含め4人を逮捕していますが、いずれもポストからキャッシュカードを奪う「受け子」で、全員、外国人だったということです。
府警は犯罪の背景として、被害者が、直接会わずにポストを使ってやりとりすることに対し、コロナ禍で不自然に思わなくなっている状況があり、犯罪集団はそれを利用して受け子に外国人を使い始めているとみています。
府警は「ポスト投函型詐欺」の捜査を進めるとともに、府民に注意を呼び掛けています。
他人名義のSIMカード悪用しスマホ詐取のベトナム人の男を逮捕 警察は販売店などに注意呼びかけ
偽造した在留カードや他人名義のSIMカードを悪用し、携帯電話販売店から最新のスマートフォンをだまし取った疑いで、ベトナム人の男が逮捕されました。
入管難民法違反と詐欺の疑いで逮捕されたのは住所不定・無職でベトナム国籍のグエン・クアン・ナム容疑者(21)です。
警察によるとグエン容疑者は、ことし7月から8月にかけ大阪府内の携帯電話販売店で偽造された在留カードを店員に提示し、スマートフォン1台15万6千円相当をだまし取った疑いがもたれています。
グエン容疑者は他人名義のSIMカードを悪用し、格安スマートフォンから機種変更する手口で最新の高級スマートフォンを不正に入手し、さらに別の買取店で売り払い、1台当たり10万円程度で換金していたということです。
調べに対しグエン容疑者は「SNSで知り合ったベトナム人犯罪グループから月額20万円程度の報酬を受け取っていた」などと話し、これまでに10数件の犯行への関与を認めていて、警察は組織的な犯行を視野に調べています。
グエン容疑者は技能実習生として2年前に来日し、ことし5月まで他府県で働いていましたが、研修先から失踪していたということです。
また、警察は携帯電話販売店などに対し「外国人の身分確認の際は『在留カード』に付いているホログラムの色が変化するかなど慎重にチェックして欲しい」と注意を呼び掛けています。
2021.11.29
送還拒否の3分の1に前科 改正法再提出へ
送還を拒否するなどして出国させられない不法滞在国人約3100人のうち、過去に日本で罪を犯し有罪判決を受けた外国人が約1千人に上ることが29日、分かった。
複数の政府・与党関係者が明らかにした。出入国在留管理庁は実態調査を進めており、来年の通常国会で再び入管難民法改正案の提出を目指す。 入管当局は不法就労などで国内に残留する外国人を摘発し、退去処分後に出国するまで原則、施設に収容している。年約1万人は処分に応じて出国するが、本人が拒否したり、本国が送還に応じなかったりする外国人は昨年末時点で約3100人に上る。
うち約2440人は収容施設から「仮放免」され一般社会で生活するが、別の約420人は仮放免後に逃亡し手配されている。 約3100人のうち日本の刑事裁判で有罪判決を受けたのは約1千人。
そのうち約730人が仮放免中で別の約100人は仮放免後に逃走した。複数の罪に問われたケースも含め、罪種別で最多は薬物関係法令違反で約630件。次に入管難民法違反約420件、窃盗・詐欺が約290件と続く。強盗約60件や性犯罪約30件、未遂を含む殺人約10件と重大犯罪も含まれる。
この約1千人のうち約470人は難民認定を申請している。現行法では審査中は本国へ送還できない「送還停止効」があり、申請回数に上限がない。認定の見込みがないのに申請を繰り返す悪用も疑われる。
治安に悪影響を及ぼす事例も起きた。警視庁目白署が今月12日に強制性交等容疑でパキスタン人の50代の男を逮捕したと発表。
容疑は東京都豊島区で20代女性に声をかけ、近くの公園のトイレで性的暴行を加えたとされる。
この男は過去にも性犯罪の前科があり入管当局から退去処分後、仮放免中に犯行に及んだことが判明。難民認定も申請していた。
施設の収容力に限界がある中で仮放免が増え、治安維持に懸念が生じている。政府は今年の通常国会で難民申請に2回の上限を設け、退去処分に従わない場合に刑事罰を新設する入管難民法改正案を提出したが、難民保護の機能低下が懸念されると野党が反対したため取り下げていた。
外国人摘発急増1・1万人超 ベトナム、中国で過半数
警察庁は3日までに、2019年に全国の警察が摘発した来日外国人(永住者らを除く)が前年比573人増の1万1655人だったと発表した。
近年は横ばい傾向が続いている。
うちベトナム人が3365人(28.9%)、中国人が2948人(25.3%)で、この2カ国だけで全体の過半数を占めた。警察庁によると、ベトナム人の摘発は化粧品の大量万引きなど窃盗の割合が高かった。
中国人は偽装結婚や在留カード偽造が多く、不正入手した他人のスマートフォン決済サービス情報を悪用し大量の商品をだまし取る犯罪も目立った。国籍別ではベトナム、中国に次いでフィリピン746人、タイ509人、ブラジル508人、韓国454人など。
「刑法犯」での摘発は前年より281人少ない5563人で、うち殺人は10人増の48人。
「特別法犯」は前年比854人増の6092人で、うち不法残留などの入管難民法違反が4279人と多くを占めた。在留資格別では「短期滞在」が2437人(20.9%)で最も多く、他に「留学」2121人(18.2%)、「技能実習」2103人(18.0%)など。外国人の就労拡大のため19年4月に新設した「特定技能」は摘発者がなかった。
縦割り行政の弊害 不法残留者にも接種、国が通報免除…会場周辺で取り締まり行わず
厚生労働省が、新型コロナウイルスの感染防止対策として外国人にワクチン接種などを進める際、不法残留などの事実が判明しても入管当局に通報しなくてよいとする見解をまとめ、都道府県などに通知していたことが分かった。
接種しやすい環境を整え、地域社会に感染が広がるリスクを抑えるのが目的。見解を受け、茨城県大洗町は在留期限の切れた不法残留者への接種を始めた。入管難民法では、公務員に対し、国外退去の対象となる外国人の存在を入国審査官や入国警備官に通報する義務を課している。
このため、不法残留者が通報を恐れて疫学調査や接種に協力しない可能性があった。これについて、厚労省は6月28日、事務連絡の形で地方自治体に通知。それによると、強制退去の対象となる外国人にもコロナ対策を「適切に実施することが必要」とした。
その上で、公務員が通報義務を果たすと、接種などに支障が生じる場合、入管当局に「通報しないことも可能」と明記した。
ただ、通報しなくても「出頭を勧めることが望ましい」と追記した。大洗町は10月17日、在留期限の切れた外国人への接種を開始した。町内の外国人コミュニティーに呼びかけた結果、2日時点で227人から申請があり、キャンセルを除く225人が1回目の接種を終えた。
町では、外国籍住民が人口の約5%を占め、4~5月には外国人家族を中心に感染が拡大した。
町は「ここで接種を進めないと、同じような感染拡大が起きうる」として接種を決めた。出入国在留管理庁や茨城県警は、厚労省や町の対応について読売新聞の取材に対し、「コメントしない」としている。
県警は「取り締まりを緩めるつもりはない」と強調しつつ、会場周辺で接種者を狙った取り締まりを行う可能性は否定している。国士舘大の鈴木江理子教授(外国人政策)の話 「正規の滞在資格を持たない外国人の多くは、密集した環境で生活したり就労したりしており、感染リスクが高い。安心してワクチンを接種できれば彼らの生命が守られ、日本社会の感染拡大を抑制できる。ワクチン接種と取り締まりは切り離して考えるべきだ」
2021.11.03
法律の不備 不法滞在の外国人、実刑判決の半数が難民申請 現行法で送還できず
入管当局は不法就労などで国内に残留する外国人を摘発し、退去処分後に出国するまで原則、施設に収容している。
年間で約1万人は処分に応じ出国するが、本人が拒否したり、本国が強制送還に応じなかったりする外国人は昨年末時点で約3100人に上る。
このうち約2440人が病気などの理由で収容施設から「仮放免」されている。約3100人の中で不法滞在以外に罪を犯し、懲役3年以上の実刑判決を受けた人は約310人で、うち約150人が難民認定申請中だ。
懲役5年以上は約180人中約90人、懲役7年以上は約90人中約50人が難民認定申請している。たとえば、あるアジア人の男は強制わいせつ致傷罪で懲役4年の実刑判決を受け、仮放免中に強姦致傷罪(現強制性交等致傷罪)で懲役6年の実刑判決を受けたが、現在2回目の難民認定を申請している。
アフリカ人の男は恐喝などの罪で懲役2年6月の実刑判決を受け、仮放免中に強姦罪(現強制性交等罪)で懲役5年など2度の罪を犯し、4回目の申請中だという。送還停止効は入管難民法で規定され、本人から難民認定申請があった場合、審査中は本国へ送還できない。
申請には上限がなく、許可の見込みがなくても申請を繰り返す悪質なケースに対応できなかった。改正案では難民申請に2回の上限を設定。
懲役3年以上の実刑判決を受けた場合には送還できる条件も付した。
これまで法相の裁量で例外的にしか認められなかった「在留特別許可」を本人からの申請制にし、難民申請が許可されない場合の救済措置としていた。立憲民主党など野党は難民保護機能の低下が懸念されることなどを理由に上限設定に反対しているが、改正案の今国会成立が見送られたことで、悪質な難民認定申請の根絶が遠のいた形となる。
2021.05.18
トルコ人が偽装結婚で逮捕
外国人の男と日本人の女の偽装結婚をあっせんしたなどとして、トルコ国籍の男らが逮捕されました。
電磁的公正証書原本不実記録などの疑いで逮捕されたのは、トルコ国籍の稲沢市の自営業ドルムス・ムスリム容疑者(25)、北名古屋市の自称アルバイトサグル・ルドワン容疑者(30)と、近藤美津子容疑者(27)の3人です。
警察によりますと、3人は、すでに逮捕・起訴されている日本人の男と共謀し、ルドワン容疑者に長期在留資格を取得させるため、近藤容疑者とのうその婚姻届けを北名古屋市役所に提出したなどの疑いが持たれています。
警察は3人の認否を明らかにしていません。
警察は、外国人に長期在留資格を取得させるための報酬をともなった偽装結婚が、組織的に行われているとみて捜査しています。
2021.10.21
中国人が80代女性からキャッシュカードをだまし取る
東京都内に住む80代女性からキャッシュカードをだまし取り、現金を引き出したとして中国人の男と交際相手のモンゴル人の女が逮捕されました。
王延成容疑者(38)とガンボルド・フンツェンゲル容疑者(21)は先月、仲間と共謀し、大田区の80歳の女性に銀行員を装って嘘の電話を掛けて、キャッシュカードをだまし取り、現金100万円を引き出した疑いが持たれています。
警視庁によりますと、2人は交際中で同居していて、王容疑者がガンボルド容疑者を2万円の報酬で誘い、カードの受け取り役をさせたということです。
王容疑者は容疑を否認しています。
ガンボルド容疑者は「無言でカードを受け取った」と容疑を認めています。
2021.10.25
国際結婚の闇 増え続けるトラブル
あたりは、見渡す限り畑が広がっている。そんなのどかな風景の中にポツンと建った真新しいコンビニは、駆けつけた警察車両で瞬く間に騒然となったーー。
「駐車場に停められた黒い車の横で、首に刃物が刺さったままの若い女性が倒れていて救けを求めていました。通り魔の犯行だと誰かが言い出して、周囲はパニック状態でした」(目撃者)
現場は茨城県常陸太田市のコンビニの駐車場。
8月11日夜7時過ぎ、通報を受けた警察官が駆けつけると、駐車場で首に刃物が刺さった状態で倒れている埼玉県草加市在住、職業不詳のクル・咲さん(25)を発見した。
咲さんは病院に搬送されたが死亡が確認される。死因は、首を刺されたことによる頚髄損傷と出血だという。
「警察官に連れていかれたのは、コンビニの中にいたヒョロッとして背の高い外国人男性でした。両腕、右脚にタトゥーを入れており、服に血のようなものがついていました」(前出・目撃者)
◆離婚率は50%以上 警官に殺人の疑いで逮捕されたのは、トルコ国籍のクル・メメット容疑者(29)だ。
メメット容疑者と咲さんは夫婦で、草加市内に同居していたと見られている。 「メメット容疑者と咲さんは、一緒にBMWのSUVでコンビニに来た様子が目撃されています。
咲さんは運転席、メメット容疑者は助手席に座っていたようです。その後、メメット容疑者は車を降りてコンビニに入り、警察を呼ぶように店員に訴えていたとか。
事実上の自首です。その間、咲さんも車から降りて救けを求めており、居合わせた人が警察に通報しました」(全国紙社会部記者) メメット容疑者は犯行について「やったことは認めます」と言い、また「死ぬとは思わなかった」とも供述しているという。
メメット容疑者もケガをしており、車内には血痕が。車の中で言い争いになり、刺したものとみられている。
目撃した人によると、警察を呼ぶように訴えていたメメット容疑者の日本語はあまり流暢なものではなかったという。取り調べも通訳を介して行われているようだ。
二人が結婚したのは昨年2月で、まだ日本に来て日が浅かったのだろう。元神奈川県警刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が語る。 「国際結婚した夫婦のトラブルは、近年増えています。
厚生労働省によると、20年の離婚率は日本人同士が約35%に対し、国際結婚は51%ほど。しかも、5年以内の離婚が大半なんです。出会った当初は仲睦まじくても、結婚して家族と同居するようになると、文化習慣の違いから様々な問題が生じます。
日本に来て日の浅い外国人は、国際結婚してうまくいかなくても、相談する相手がいない場合が多い。
もちろん今回のケースは稀なものです。そうした事情があったか現時点では不明ですが、メメット容疑者の場合、自ら通報したのも他に連絡する先が思いつかなかったという背景もあるのでは」 メメット容疑者が咲さんと出会ってから殺害に至るまでの詳しい経緯は、まだ明らかになっていないが、これ以上悲痛な事件が起こらないようにするためにも、その背景を解明することが重要だ。2021.8.21