海外に不正送金する「地下銀行」を営んだとして、警視庁は、いずれもミャンマー国籍の無職の男(38)=東京都台東区=と専門学校生の女(28)=東京都豊島区=を銀行法違反(無免許営業)の疑いで逮捕し、13日発表した。
同庁は、2人が今年3~9月に少なくとも約5億7300万円の不正送金をしていたとみて調べている。国際犯罪対策課によると、2人は5~7月、銀行業の免許がないのに日本国内に住むミャンマー国籍の男女5人から送金依頼を受け、計23万5560円をミャンマーに不正送金した疑いがある。
依頼者から集めた金で購入した中古車をミャンマーに輸出し、現地で転売して現金化していたといい、同課は実質的に送金にあたると判断した。2人は無料通信アプリ「Viber」を使ってミャンマーへの送金を希望する人を募集し、現金を指定の口座に振り込ませていた。
現地で中古車を転売した後、依頼があった金額分を送金先に届ける一方、差額の転売益を自ら受け取っていたという。同課は金融機関を使った正規の海外送金より手数料を安くすることで、顧客を集めたとみている。
男は容疑を認め、「本国の人の生活の足しにしてほしくて4年前から(地下銀行を)営んでいた」と供述。
手数料や車の転売益などで計約1千万円の利益を得ていたと説明しているという。
一方、女は「頼まれて(中古車購入の金を)振り込んだだけだ」と容疑を否認しているという。2022.10.14